user experience 品質

日本人は、品質をとても重要視しています。
例えば、電話の音声品質、ネットサーフィングのネットワーク品質、コールセンターにおけるお客様対応の品質など、例を挙げればきりがありません。場合によっては性能(ネットワークのレスポンスタイムや遅延)まで「品質」という言葉で表すこともあります。

一方、米国では「品質(quality)」をもう少し限定的、狭義に使っているように思えます。
その代わり、customer (user) experience という表現が昨今の流行語になっています。

エクスペリエンスとカタカナで表記されるほど、このexperienceはいろいろなニュアンスを含んでいるがために日本語化しにくい言葉であることは以前にも解説したとおりです。

そして、experienceは日本語の広義の「品質」に一番近いかもしれないと感じていた矢先に「体感品質」という言葉に出会いました。なるほどねぇ。experienceは経験、体験が条件になります。ユーザーが感じた品質ということで体感品質はuser experienceの適訳です。


一方で、、、、。
「体感」にはperception, perceivedというニュアンスがあります。相手がどう捉えたか、受け止めたか、解釈したか、感じたか、体感したかということです。perceptionは必ずしも事実と一致しないことがあるということなのです。

極論を言えば、体感品質を上げるために、必ずしも物理的な品質(ネットワーク遅延、ジッタの排除)を上げる必要はないということです。技術的には物理的な品質を上げることなく体感品質を上げることはできないのかもしれませんが。

perceptionには印象という意味合いもあります。
例えば、「あの人は英語ができると思われている」のはあくまでもperceptionで、その人は「英語ができる」とは限らないのです。

perceived attributes と actual attributesとは必ずしも一致しないということでしょうか。