関係ない nothing to do

「私には関係ないことです。」

直訳しようとすると

to me, not related, it is ⇒ It is not related to me.

と訳す事ができる。誤訳とは言えないが、何となくおかしい。
おそらく、not related to meというフレーズから血縁関係を表すrelatedをイメージさせるからだろう。血縁関係を表すのであれば、主語はitではなく人格(he, she)でなければマッチしない。

He is not related to me. 彼と私は血縁関係がありません。
これならしっくり来る。しかし原文の「私には関係ありません」の適訳にはなっていない。


正解は「It has nothing to do with me.
どうすれば原文からこの訳を導き出すことができるだろうか?丸覚えするしか無い、という答えはできる限り避けたい。

このhasの使い方はとても英語的だ。
nothing(何も無いもの)というのも日本語にはない表現。
It has nothing to do with [it]とすれば「両者は無関係だ」という意味になる。


It has nothing to do with me.
「あっしには関係のねぇことでござんす。」は木枯らし紋次郎の決め台詞だった。主体はIにある。


I have nothing to do with it.は似て非なる表現。この場合の主体はIt。
「私のせいじゃないわよ。」「私は関与していない。」というニュアンスが強い。