品質管理 その2 故障が発生したら、、、、ハードウエア編

昨日、品質管理の話をしたのでそのついでに故障が発生した後の対応のプロセスも簡単に解説します。

ネットワーク装置やシステムなどハードウエアは監視されていて、不具合や故障が発生するとアラームが出るようになっていることが多いです。アラームが出るとまず行うべきは、故障解析できるようにデータを収集すること。ログを取ったり、トラップを挙げたりするわけです。結果としてハードウエアの故障ということが判明した場合には交換となります。


データセンターやマシンルームなど現場に交換部品が置いてあればすぐに交換できます。

交換部品:Spare part
日本語ではパーツと言いますが、英語のpartは可算語なのでpartなのかpartsなのか区別が必要です。

装置の電源を落とさずに交換すること:Hot swap、ISHU
ISHUは私の造語です。最近、システムを止めずにソフトのバージョンアップをすることをISSU (In-Service Software Upgrade)と言うので、それになぞらえて In-Service Hardware Upgrade。
同じモジュールで交換する場合にはホットスワップで良いでしょう。


担当者を派遣する:to dispatch a technician

保守契約によってはメーカーや販社の担当者が現場に来て対応してくれることがあります。この場合の派遣はdispatchと言います。ちなみにハイヤーを申し込んだ時の受付もdispatch center。警察・消防の受付窓口もdispatch centerです。

担当者はengineerかtechnicianが良いでしょう。直訳してperson in chargeとすると、担当部署の長のような責任者という意味になってしまいます。


パーツ交換によってシステムは運用を継続できるとして、故障した部品は修理してもらわなければなりません。

返品修理にもプロセスがあります。
まず返品に際し、メーカーにRMAを発行してもらいます。

RMA:Return Merchandise Authorization 商品返品承認

問題をTAC(サポートセンター)に報告した際に、問題番号(ケースID)が発行されるのと同様に、RMA番号が修理受付をトラッキングするためのID番号となります。

RMA番号が出たら、返品(return)し、修理(repair)してもらうことになります。
返品したモジュールそのものが修理されて返ってくることもあるでしょうし、修理品と交換されて返ってくることもあるかも知れません。この場合の修理品はrefurbished moduleと言います。

refurbishはあまり耳慣れない単語かもしれませんが、ハードウエアの世界ではよく使います。
修理してまた使える状態に戻すという意味です。

改造という訳語には作り直して別なものにするというニュアンスがあるので少し意味が異なります。
改造にはmodify (名詞:modification)の方がしっくりきます。

改修は手を加えてより良いものにするというニュアンスがあるので、これも少し意味が異なります。
改修はmodify、improveあたりの訳語がよいでしょう。

改装は建物に適用するのでremodelが適訳となります。

refurbishは辞書で引くと、修理調整となっていました。


いつも言っていることですが、日本語から英語に訳した時と英語から日本語に訳した時とでは、必ずしも訳語が一致するとは限りません。訳語は多対多の関係にあると私は思っています。
適訳は常に文脈やニュアンスを考慮して考えたいものです。