ゼロから始める初めの一歩はGreenfield

謎掛けのような表題になってしまいましたが、今日のお題は「ゼロから始める」「一から始める」です。


このシステムは一から作り上げました。
This system was built from scratch.

この from scratch は色々な場面で使える利用頻度の高い表現です。

I made this cake from scratch.
このケーキは全部手作りです。

という表現にも使えます。この場合は、既製のもの(ケーキミックス等)は全く使わず、個々の原材料から作ったという意味になります。


scratchは宝くじの「スクラッチ」にあるように、「引っかく」という意味で、棒で地面に線を引いて描いた「スタートライン」がこの表現のルーツになっているようです。



This is a greenfield operation.
と言ってもこれは「隣の芝生は青く見える」というわけではありません。
この例文の greenfield は更地という意味です。未開墾の草原は既存の建築物等の制約がないことからの転意で、先行例のない、制約のない分野という意味に使われることがよくあります。

The first in market であれば、一番乗りとしてのメリット(greenfield)を享受できるというわけですね。


移動体通信の分野でも greenfield と言えば既存の無線網が存在しておらず、小高い山の頂上など見通しの良い場所に無指向型アンテナを立て、効率よく面的覆域を広げた状態を指すのだそうです。

またWikipediaによると、無線LANの分野では、802.11n に greenfield というオプションモードがあり、802.11a/b/gをサポートしないことによる効率改善を図る方法があるとか。


グリーンフィールドは greenfield と一単語として扱います。


ちなみに「隣の芝生は青く見える」は「The grass is always greener on the other side of the fence」です。「青田買い」の青田とは意味が異なりますね。