「あけおめ」と「良いお年を」は英語でどう言い分ける?

Happy New Yearに不定冠詞の「a」が必要か不要か、というFAQに回答しているサイトはたくさんあるので今更ながら、と思いながらももう一度おさらいしておきましょう。


「良いお年をお迎えください。」
I wish you a happy new year.

この場合には「a」は必須です。
一つは、これが文として完成した形を成しており、可算名詞のyearには不定冠詞が必要になるからです。

そしてこの場合、I wish you を省略して a happy new yearと言うことはできません。
省略してしまうと、「ある良い年」という名詞句になってしまい、その句だけ宙ぶらりんの状態になってしまいます。

蛇足ながら「良いお年をお迎えください」の賞味期限は12月31日までで、年が明けてしまうと使うことはありません。



「明けましておめでとうございます。」
Happy New Year!

これは決まり文句で、不定冠詞のaは不要です。
あるブログで「Happy Birthday!と同じと覚えておけば間違いない。」とすばらしいコメントを書いていた方がいらっしゃいました。

「あけおめ」の賞味期限はいつまでか、に関してはいろいろな意見があると思います。
2日から平常に戻るアメリカでは元旦の New Year's day のみ有効で、1月2日にHappy New Year!と言われると、
「元旦は昨日だよ。」
と言いたくなるという人にも出会ったこともあります。
けれどもNational Public Radioを聞いていたら、1月9日に行われたインタビューでも「新年明けましておめでとうございます。」という雰囲気の Happy New Year!をオープニングの挨拶に使っていましたから、必ずしも2日以降は使えないということではなさそうです。

鏡開きと同じで(?)「あけおめ」も1月11日あたりが賞味期限ではないかと思いながら毎日ラジオを聴いています。


元旦のNew Year's dayになぜ定冠詞が不要なのか、いまだに理解できません。
でも先ほどのHappy Birthdayではありませんが、クリスマスは the Christmas とは言わないので、元旦も the New Year とは言わない、と説明されれば妙に納得してしまいます。

そこでハタと気が付きました。
New Yearとnew yearは異なるのだということに。
New Yearは元旦で、new yearは新年なんですね。
一年のうちで元旦はその日しかないので特定する必要がないのです。だからtheも不要。
一方 new yearは毎年 new yearがやってくる、だから通常は a new yearで、特定の新年を指したい時はthe new yearになる。
というのはこじつけかしら?


aの無いあけおめは全て大文字のHNY。
aのある良いお年をは小文字のhpy。