Qualify = 評価?

いつも適訳に悩んでいる単語です。

You are qualified for 〜
という文であれば、「あなたは〜の資格があります。」と訳せるので全く問題はありません。

This component is qualified for the product.
このコンポーネントは当該製品用として認定済みです。
主語が人から物に変わると訳語も変わって来ます。

このコンポーネントは宇宙用(人工衛星用)です。
This component is space qualified.
This component is space rated.という言い方もあります。
規格が決まっていて、その規格に適合し認定が取れている場合にratedという表現を使うことができます。


ここからが問題です。

Qualification test:認定試験、評価試験、検証

メーカーから納品された製品が、商用環境でちゃんと使えるかどうか、機能検証をするというのが日本の特徴でもあり、品質を重視する姿勢でもあります。この検証の英訳はvalidationも適訳ですが、qualificationも使えます。

validationとverificationはほとんど全く同じ意味の同義語でinterchageableに使えます。
どちらも確認、検証という意味です。
強引にニュアンスの違いを探すとしたら、verificationはあるべき状態になっているかどうかを確認すること、validationは確認してお墨付きを出すこと、という語感があります。(私の個人的な見解かも知れませんが。)


もう一つ曲者なのが「評価」という日本語。
評価 = evaluation が定訳になっていてそれはそれで良いのですが、evaluationよりもベターな訳語がある場合もあるということなのです。

日本のSIは、システムや装置を購入する前に「評価機」を購入して試験し、本当にこの製品で良いのかの機能・性能検証を行います。この時の「評価」がまさにqualifyなのです。

この「評価する」という行為は英語ではProof of Concept、略してPOCと言います。
顧客用にPOC Lab (評価用試験環境、ポックラボ)を用意して、評価してもらうメーカーも増えています。POCや評価機を使った試験では、基本的な機能確認、性能確認を行い、拡張性を出すためのチューニング条件などを洗い出す作業を行います。

評価機はevaluation unitでもqualification unitでも良いでしょう。machineよりはunitの方が良いです。


日本語の評価、検証、確認、認定と英語のqualify、validate、verify、evaluateは多対多の関係にあるので、文脈をよく判断し、適訳を使いましょうということを言いたかったのです。