Out-task 業務委託

「アウトソースする」という表現は、すっかりに日本語でもお馴染みになりました。
業務委託するという意味で、自社でその業務を行わずに、他社に委託してやってもらうということです。
元々は、out sourceという2語だったものが、out-sourceとなり、今ではoutsourceと1語になっています。

それではアウトソースとアウトタスクはどこが違うのでしょうか?
業務を戦略的重要性を縦軸に、基幹業務性を横軸に取って2x2の表(マトリクス)をイメージしてみてください。

たとえばソフトやハード製品の設計のような基幹業務かつ戦略的に重要な業務(core competency)はもちろん自社で行います。
一方で、給与計算とか社員食堂運営と言った基幹業務でもなく戦略的に重要でもない業務はアウトタスクすることでコスト効率向上を図ります。
戦略的に重要だけれど基幹業務ではないとか、基幹業務ではあるけれども戦略的には重要ではないという業務はアウトソースされるのです。
高給の自社社員を使う部分は徹底的に限定するという考え方が反映されています。

アウトタスクされる業務というのは、SLAにのっとった品質や期日が守られていれば誰がやろうがかまわない、引き受ける方も淡々と作業をこなしていくという性質があるのに対し、アウトソースする先とは長期契約を結び、会社の一部のような感じで緊密な関係(パートナーシップ)を組んでいきます。アウトソースを引き受ける方も顧客の看板を背負っているという意識があるに違いありません。


日本風の商習慣に置き換えて見ると、アウトソースが契約社員、アウトタスクは派遣社員に例えられるかもしれません。
たとえば、某IT企業でデモセンターを支えているIT部隊は、実は全員契約社員です。その企業はNOC(NW監視センター)のオペレータも契約社員を使っているのです。(傍から見たら社員と全く区別が付きませんが。)教育部の訓練講師なども契約社員を使っている企業が多いです。

Baby sitterはアウトタスクだけれど、Nannyはアウトソース。ケータリングはアウトタスクだけれどおかかえシェフはアウトソース。何となくイメージできますか?


でも今日、このコラムで言いたかったのは、we outsourceといった時に、業務を外部に委託しているのか、それとも業務を受託しているのか、区別がつかないということ。このような造語だと、自動詞なのか他動詞なのかだって判別が付きません。文脈から判断してくださいね。